地蔵寺について

地蔵寺の歴史

弘照山地蔵寺は戦国時代終期から教会として始まりその後禅宗の寺として開山し御本尊は地蔵菩薩(子守地蔵尊)、脇本尊は不動明王と薬師如来です。(俗説には、天文14年(1545年)岩倉の地に山内一豊公が誕生した時、お母さんの御念持仏であったと云われています。)
江戸時代になって檀家(だんか)制度が推進されると、当寺は高野聖によって伝えられた三体弘法をお祀りしていた事から地蔵寺 弘法堂(高野山 真言宗)として檀家の人たちに信仰されます。その後、明治時代の廃仏毀釈(はいぶつきしゃく)の影響を受けたりしながら、大正・昭和時代に入ると宗教法人化されて弘照山 地蔵寺 天台宗(寺門派)となり現在に至ります。

伝説

江戸時代終期に日本中に疫病が大流行し、地蔵寺周辺の村の人々は大いに悩みます。そして、当時の地蔵寺の住職であった真法和尚に相談します。 真法和尚は、本堂に安置されている三体弘法に誓願をたて「般若の智火によって衆生の業垢を清めましょう」と。
村人には般若心経の写経を勧め、真法和尚は般若心経を講讃し、ご祈祷します。そして病苦に悩む人々は全快し疫病の流行は収まりました。これを単なる伝説とするのは簡単ですが、村人たちの信力・真法和尚に対する人々の信頼、加持力に対する信仰などが、これできっと治ると病人を信じさせて治癒力を高めたのではないかとも考えられます。
真法和尚は病人の加持祈祷を頼まれると良薬を煎じた水を与え「さぁ、これを飲んで一緒に拝みましょう。あなたも治る努力をしてくださいね。」と言って至心に拝みました。すべての身体の病気を治療するには必ず三つの方法によるべきであると真法和尚はお大師様(弘法大師)の教えを説いて話します。一つには医者、二つには方経、三つには妙薬です。
病人もし医者を敬い薬の処方を信じ、まごころから服餌せば疾病はたちどころに治癒するけれども、病人が医者を罵り、処方を信ぜず妙薬を服さないとすれば何によりてその病を除くことができようか。如来が衆生の心病を癒したまうのもこれと同じである。と説きます。
仏教信仰の力とは良薬の様に即効性はないけれども、生活を正すことによって身体をやしない正しい健康を得ることができます。こういう姿勢は二度と病気にならない身体をつくり心の病気も治す一助になるはずです。

地蔵寺(弘法堂)ご案内

御本尊・子守地蔵尊

おんかかかびさんまあえいそわか

御脇仏・毘沙門天王

おんべいしらまんだやそわか

御脇仏・薬師如来

おんころころせんだりまとうぎそわか

御脇仏・不動明王

のうまくさんまんだばさらだ
せんだんまあかろしゃだそわたや
うんたらたかんまん

修行大師

南無大師遍照金剛

以上の仏様が御本堂に御安置致して御座いますが特に御本尊"子守地蔵尊"は380有余年の昔より一心に子供の事で願うならばどんな事でもお聞き入れ下さったり、御身代わりにもなって下さる尊いお地蔵様です。
故御信心深くして下さいます様お願い致します。
(又俗説には山之内一豊公のお母さんの御念持仏であったとも云い伝えられております)

毘沙門天様は家内安全、商売繁盛をさせて下さる方です。
薬師如来様は病気の時、良薬を与えて下さる方です。
不動明王様は魔除けをして下さる方です。
修行大師様は御修行をされながら困って居られるたくさんの方を救って歩かれた姿をおまつりしたものですが、お大師様は、御修行時のお姿で、全国津々浦々を衆生済渡して歩くといわれて居ります故、どうか一生懸命に御信仰下さいます様願います。

地蔵寺 春の大祭(大般若会・星祭り)のご案内(年一度の大法要)

大般若会(1月6日〜3月10日)

諸法皆空の旨趣を広く説いてある大般若経六百巻を読誦し、学徳成就、開運長久、交通安全、家内安全、厄除心願、蟲封じ、身体健全、病気平癒、良縁祈願、心願成就、商業繁栄、除災召福(個人ないし家での祈願)等、さらには、五穀成熟、風雨順時、天下泰平、除災興楽(地域共同体ないし国の祈願)等の祈念を凝らす法会であり、釈迦如来並びに般若十六善神、子守地蔵尊、毘沙門天王、薬師如来、不動明王、修行大師、弘法大師、大日如来、観世音菩薩、虚空地蔵菩薩等に法楽するのである。ですから、是非、この機会に祈願したお札をお受けになって一年の無事と繁栄を願い心安らかな人生を送って頂きたいと思います。

星祭り(1月6日〜3月10日)

天地地変の時、又は個人の除災召福、息災、増益、延命等の為に北斗七星、九執星、十二宮、廿十八宿等(暦による其人の属する星の意)を祭り、これを供養する法会である。
人には、其人の生まれた干支、生年月日により一生定まった星というものがあります。それは暦をみればすぐに分かりますが、其の星によって毎年吉凶が運ばれます。(運星)それ故、良い年廻りもあれば凶の年廻りもあります。特に厄年(すべてが嫌うべき方向に運ばれる不運な年)に当たった年は、病難災難が多く、病気にかかると重病長病になり、不時の災難、交通事故、難産流産、事業失敗等が多く、又厄年になる前の年(前厄)、厄年のあくる年(後厄)、そして厄年とは別の黒星の年(八方塞がり)も凶の年廻りとされています。厄年とは、自分の星廻りが中央、北、艮、坤に位置する年齢をいうので、令和六年は、三碧、六白、七赤、八白、九紫の星が厄年であります。(厄年早見表参照)この厄を除くには身代わりに星祭りをして御札と厄除星守りを受けていただくことが厄除消除です。
厄年に当たる年の人、不幸にも病難災難に罹ってから厄年であることがわかった人、さらには、凶の年廻りとは全く反対に万事が其の好ましき方向に運ぶ良い年廻りの人もおられますが、人間は万能ではありません、限りある歳月をやりくりしていく方便として、是非、この機会に当寺へ厄除けにおいで下さって大般若会とあわせて星祭りの御札を受けて頂きたいと思います。